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Kのメモ sep 11,2010 [店雑記・Kのメモ]


酒船石
飛鳥の古い写真資料はなかなか見ることが出来ませんが、
1954年に発行された小冊子『飛鳥』は
その中でも貴重な一冊だと思っています。

(注1)

飛鳥の酒船石遺跡は
岡の酒船石とその下方にある湧水施設が遺跡として指定されたものですが、
湧水施設の延長線上に酒船石があることや、
その他多くの発掘資料より、斉明朝に造成され、
その後天武朝に大改装がされたのでは、と推測されています。

(注2)

写真集の一頁に当時西方を遠望できた「岡の酒船石」が
掲載されています。
右に見える割取ラインは東西をラインを示しており、
竹薮で囲まれた中で「どの方向をむいているのですか」と尋ねられると、
「割取ラインが東西方向です」と答えています。

phot 239.jpg
(図1)

遠方に
川原寺、そして板蓋神社(いたぶきじんじゃ)の丘、甘橿丘、貝吹山
そして金剛葛城、水越峠、と一望出来き、
きっと牽牛子塚古墳も川原寺、板蓋神社の丘、後方に
見ることが出来たのではないか、とイメージを膨らませます。

そして遠く彼方、
伊予の熟田津・石湯行宮、筑紫・杷木(はき)筑後川の麓、朝倉橘広庭宮比定地を
一本のラインで結びたくなるのです。

phot 241.jpg
(図2)

地図を広げ、古代の斉明ラインを巡る、私の憩いのひとときです。

(注1)(注2) 『飛鳥』 岩波写真文庫 130 岩波書店 1954
編集-岩波書店編集部・写真-岩波映画製作所・監修-町田甲一、より加筆
(図1・2) 『飛鳥迷宮』 高田和広 2009より加筆



9月23日より解剖コーナーで『白風 2010』酒船石 企画展示を行ないます。
酒船石遺跡の新たな形象を解剖図でご覧いただけます。
ぜひ、ご来店ください。









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