Kのメモ oct 12,2010 [店雑記・Kのメモ]
夜の訪問者-2
夜中の三時頃に眼を覚まし
コーヒーとタバコを一服します。
コーヒーを入れに三階に上がりますが、
ドアーの外灯下にクスサンという蛾がとまっていました。
「よく来たね、でも店は開いてないよ」といい二階に降ります。
(注1)
私の中で蛾の思い出は大先輩のFさんの蛾の作品です。
確か1972年に大阪・S画廊にて個展を催された時、
地下への階段を降りていきドアーを開けると
天井一杯の大きな黒い蛾が何匹も壁や黒いリンゴにとまっていました。
その時の衝撃は今もわすれることのない1フレームとして残っています。
店の開店前に三階に上がり、店の掃除をします。
開店を待っていてくれたのか、クスサンは同じ場所にとまっていました。
「店に入って」といって羽をそっと持ち店の中へ案内しますが
クスサンは身を震わせ怯えた様子で飛翔するや、
開けた窓から去っていきました。
(注1) 蛾1 1972 FRP 227cm×209cm×33cm
『福岡道雄〈1960~1970年代〉』 村松画廊 1998年 パンフより加筆
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