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Kのメモ dec 5,2010 [店雑記・Kのメモ]


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(注1)大仏と二弦琴

飛鳥寺-1
「ごめんください」。
開け放った薄暗い奥で飛鳥大仏が無言で迎えてくれます。
「こんにちは」。
ゆっくりした人影がこちらに向かいます。
「なんや、あんたか明日香好きなんやなー」。
「まあ、ゆっくりしていき、お茶でも飲みや」。といって
和尚さんも迎えてくれます。

高校の時、美術のO先生に
「暇だったら明日香を歩け」と言われてから、
休みのたび一人で明日香をぽけっと歩き続けました。
大和に生まれた私は、なんとなくのぞかな明日香の空気には違和感なく、
土や風に包まれながら楽しんでいました。

何度も歩けば当然路線バスのようにコースも定まり
岡寺で下車し、鬼の雪隠、俎をとおり、亀石、酒船石、そして飛鳥寺へと。

その当時の大仏はスポットの光もあたらず、ひっそりと薄白いベールにおおわれ、
継ぎ接ぎだらけの顔面からは
サイボークのような一見不思議な銅像に見え好きでした。

それから四十年。
八雲琴(二弦琴)の人間国宝だった和尚さんがきかせてくれた余韻が
私を再び飛鳥へと導いてくれました。
 

(注1)『飛鳥』岩波写真文庫130 岩波書店 1954 に加筆


タグ:飛鳥寺
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