Kのメモ May 5,2011 [店雑記・Kのメモ]
額田王-線上のゲシュタルト10
織姫(おりひめ)
近江天皇を思いてつくる歌(鏡王女との相聞歌)
君待つとわが恋ひをればわが屋戸のすだれ動かし秋の風吹く(4-488)
(大意)
わが君をお待ちして恋しく思っていると、私の家のすだれを動かして秋の風が吹いてくる。
「秋風」「秋の風」に「七夕」のイメージが含むという説があります。
反面、「七夕」は飛鳥時代には広まっていなかった、としてそのような思いはなかったとする説もあります。
旧暦
「秋の風」と詠むことには問題なく、
万葉集にも十首ほど「七夕」として詠われているようです。
星祭りの性格を強くもつ
牽牛と織女の星が会合する話です。(注1)
(図1)
弥生時代の祭祀に使われたとする銅鐸にいろんな情景が描かれたものがあります。
トンボや生物のとなめの図、鶴亀不老長寿の図、収穫の図、
そして、カセ
(紡いだ糸を巻きとる道具)
を持つ人の図、、
じっとながめ、イメージをふくらませていると睡魔におそわれつい眠ってしまいます。
(図2)
左上にカセ
を持つ人の
図が描かれています。
脇下のものは撚糸のクルマ。
そして下部に描かれた三角形状のものは菅巻(クダマキ)です。
魚などとも解釈され論考されていますがちがいます。
いつも考古学界のイメージの狭量にガックリしていますが。
「どうして、銅鐸なの?」と夏恵子がいいますが、
「きっとこのへんにイメージの源流があるのかもしれないよ」と思えるのです。
「額田王とまったくつながらないじゃないの?」
「ちょっと、七夕を意識しすぎるんじゃないの?」といいますが、
「イクタマヨリ姫は織姫だったかもね」
「線が糸としたら、もっとみえてくるかもしれないね」。
「イクタマヨリ姫と額田王とどう関係あるの?」と夏恵子が興味深そうに問いかけてきます。
「三輪山をイメージしていたら、おぼろげに見えただけ」
「雲がじゃましているかね」と。
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(注1)『都市と田舎』日本民俗文化体系11 小学館 1985
[年中行事と公家文化」瑞江蓮子 より
(図1)『七夕と相撲の古代』 平林章仁 白水社 1998 より加筆
(図2)『東アジアの古代分化』 116号
大和書房 2003
「卑弥呼の鬼道と神仙思想」大和岩雄 より加筆
(4-488)
(大意)
『万葉集 1』 日本古典文学大系 岩波書店 1957 より
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