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Kのメモ NOV 21,2011 [店雑記・Kのメモ]


イメージの変貌-3

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(写1)
獅子について一冊の本を購入します。

荒俣宏さん文・大村次郎さん写真の『獅子(写1)』は
アジアを中心とした獅子の写真とイメージを求めた楽しい本です。

このような本に出会えるとコーヒーを味わいながら
楽にページをめくることがことができます。

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(図1)
「ライオンの像」の源流は古代ペルシア、インドや東南アジア、中国、朝鮮を経て日本への
広がりを感じとることができます。



どうして考古学の本にはこのようなイメージの膨らみが得られないのでしょう。

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『奇偉荘巌 山田寺(参1)』という図録に
山田寺金堂の石階段の側壁に獅子のレリーフの写真(写2)が掲載されています。

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(写2)

胴体部を残し顔面部の痕跡はおぼろげで

正面を向いていたのか、側面だったのか?などとイメージ図も描かれています。

「基壇的な構造から考えれば、側面、許しても振り向き顔じゃないの?」と思われ、

参考に『獅子』で探しますが側面胴体の正面顔は3つほどです。



正面顔にしろ、側面顔にしろ、顔面のディテールは欠損していて描ききることはできなく、

「なんてつまらないことを」と思わずにはいられません。

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それより、
(写2)を見た時、「マラ石」の側面ラインを意識してしまいました。

具体的な特徴をもつ固体にはアウトラインにその固体の特徴が現れます。

まさにゲシュタルトの世界ですが、

イメージすればするほど幻覚化されていきます。

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そのようなものにもうひとつあります。

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(写3)

明日香の出水(ケチン田)で出土された「出水の酒船石」。
その後の調査で
飛鳥京跡苑池遺跡の導水施設の石造物であったことがわかりました。

その側面の形状が「獅子」の側面顔のイメージとかさなり、
飛鳥の京域ともかさなるのです。

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以前、科学派のFさんにこの話をすると、

「フーン」とだけ、

バラバラと「ライオン」の顔が壊れそうになったのを覚えています。

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「もうほんとうにしがみついていたら、駄目だよ」と夏恵子に言われ、

「わかった、あと一回」と答えます。

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(写1) 『獅子』 荒俣宏 文・大村次郎 写真 集英社 2000
(写2) 『奇偉荘巌 山田寺(参1)』 図録第47冊 飛鳥資料館 2007より加筆
(写3) 『あすかの石造物』  図録第47冊 飛鳥資料館 2000より加筆




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