Kのメモ DEC 3,2011 [店雑記・Kのメモ]
絵解きあそび-2
(図1)
伊藤義教さんは著書『ペルシア文化渡来考(参1)』の中で
上部の樹木の幹から蛇をイメージされています。
そして、中央に位置する大きな羊の中に正面を向く犬がいるとイメージされています。
関連してイメージを膨らませると
『紀』持統天皇元年の条に
「蛇」と「犬」が相交したとあり、しばらくして共に死んだ。と記され、
そのことを
一説には「蛇」を蘇我氏、「犬」を天武天皇、ともイメージされているようです。
「蛇」と「犬」の相交の『紀』文はどこかにモチーフがあったのでは?と考えると
もしかしたら、この屏風かも、と。
......................................................
この『樹木羊臈纈屏風(じゅもくひつじろうけつびょうぶ)(図1)』を詳しく見たくて
手持ちの正倉院展図録を見ていると、
今だ獅噛みついているのでしょうか、獅子を探してしまいます。
夏恵子が手伝ってくれて、
「ここにもあるよ」と教えてくれるのですが、
「はっきりわかるのはダメ、もっと隠れているの探して」と。
「じゃ、これは、これは」とさがしてくれますが、
(図3)
中には「どうして獅子なのよ?」と聞くと、
(写3)
「祝戸のマラ石に似てるでしょ。マラ石が獅子だって言ってたでしょ」と。
そういわれてみれば、そのようなイメージも湧いてきます。
「冠の台だもんね」
図録をみながら、
「1992年は獅子年だったのかな?」などと考えていると、
「獅子年なんてないよ」と注意してくれる夏恵子でした。
...............................................................................
(図1)「樹木羊臈纈屏風(じゅもくひつじろうけつびょうぶ)」
(図2) 「白綾の几褥」うわしきに描かれた獅子の横顔? 南倉
(図3) 「 山水夾纈の屏風」にみる獅子顔? 北倉
(写1) 「黄銅柄の香炉の鎮子」(おもしの獅子) 南倉
(写2) 「銀壺」ぎんこに描かれた獅子 南倉
(写3) 「公明皇后の冠掛け」の心棒? 北倉 高さ-27cm
上記、すべて『正倉院展図録』 奈良国立博物館 1992より加筆
タグ:絵解きあそび
コメント 0