Kのメモ MAR 1,2012 [店雑記・Kのメモ]
天秤
パウル・クレーが記した『教育スケッチブック(注1)』に《天秤》と題した項目があります。
クレーはサーカスの綱渡り師を天秤に例え、均衡・バランスの世界を線で表現しています。
支点に立つものはたえず均衡を見払らかわねば転落や事故をおこします。
秤はアナログ的なものから、デジタル数字のはかりに多くは変わりました。
そのものの重さを知るには読み取らなくて済み、便利なものです。
でも、
アナログはかりの微妙に揺れるテコや針を見つめていると、
こころの動きと重ねるときがあります。
美しい少女が綱渡りの途中、ふとしたこころの動揺を感じました。
サーカスの遠征先で知り合った少年の顔が浮かんだのです。
自由に動いた体のコントロールがきかなく、「どうして、」と思った瞬間。
その少年が旅立った兄としたら、、、。
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(注1)『教育スケッチブック』パウル・クレー 利光 功 筑摩書房 1991
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