Kのメモ MAY 3,2013 [店雑記・Kのメモ]
黒衣の僧
仙厓(せんがい)さんは生涯黒衣の僧でいたという。
残された作品や遺愛品は出光美術館にたくさん収蔵されています。
その中に興味あるものがありました。
(画1)
野ざらしのスカルの目や鼻からヨシが生えている墨絵。
その絵に記された言葉は
「よしあしハ、目口鼻から出るものか」
「ヨシ」の「葭・葦=良し」「蘆=悪し」をもじって記され、
この世の空しさを表現したともの、とも。
私のお店は蘇るスカルの世界、グルグルまわる渦巻く世界。
そして、頭上に花を咲かせることを願っています。
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(画2)
○△□だけを描いた墨絵。
目、鼻、口かな、須弥山の世界かな、などとイメージを膨らませます。
以前、プロダクトのコンペティションで
『まるかくボトル』と名付けた○△□の入浴洗剤容器をつくり
目をつむっても感知しやすい形を提案したことがあります。
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(注1)
仙厓さんは自然石にも興味を持っていたようで、遺愛品で『亀石』と名付けられた石があります。
私は明日香の『亀石(亀のような石)』を『K』と名付け、ずっとイメージを膨らませています。
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(注2)
『金剛』と名付けた硯もあります。
この硯の蓋(右)をみていると仙厓さんが好んだ志賀島が浮かんできます。
どこか旅のなかで、自然のなかでシンクロさせていたのでは、と。
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仙厓さんは臨終のおり、
お弟子さんたちに「死にとうない」と呟いたいう伝承話があります。
とても素直なお坊さんだったのかしら、と。
かえこが「おばさんだったら、何んて言うの」と、
「そうね、素直になれたら、真似させてもらおうかしら」
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(画1)『出光コレクション仙厓名品選』「頭骨画賛」 出光美術館 2007より加筆
(注1)(注2)『出光コレクション仙厓名品選』 出光美術館 2007より加筆
「亀石」長さ76mm 硯タテ117.3mm ヨコ55.2mm
(画2)『仙厓』「○△□」吉田紹欽 著 出光美術館 2000より加筆
(図1)『日本歴史地名大系・福岡』特別付録「福岡県全図」平凡社 2004より加筆
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