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Kのメモ JUN 21,2013 [店雑記・Kのメモ]



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線上のメッセージ3-111・112・113



nukata20613.JPG
(図1)


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弓絃葉(ユズリハ)と松(マツ)

ユズリバは直接目にしたことがなくイメージに頼るところが大。

かえこに応援してもらいながら。

マツは小学生の頃、兄といっしょに採ってきて実家の庭に植えたので
ずっとこころに残っている。


matu0619.JPG
(写1)

マツ

かえこ「待っててね、のマツだよね」と。

「まつりのマツもあるみたいよ」

万葉集の解説書を読んでいるとこのような会話になる。

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マツは裸子植物マツ科の常緑針葉樹で
国土の内陸部には日本産のアカマツ(写1)、海岸部にクロマツが多く分布しています。

弓削皇子の贈ったマツは吉野という地域性から内陸産のアカマツだったのではと推測。

(写1)上に白線を描きます。これが私のマツのイメージ。

天上に描いた線の交点(図1)O(飛鳥・酒船石)ともシンクロさせます。


小さい頃、ポケットにマツボックリを入れてったっけ、と思い出しながら調べると、


matu40621.JPG
(図2)

松笠はたくさんの種鱗(しゅりん)が螺旋状にうつくしく配置されています。

春に咲いた未熟の松笠(緑色の閉じた)は
成熟した一年前の茶色く種鱗が開いた松笠と共にします。
受粉後種子ができるまで一年半以上かかるようです。

二葉の松葉を開くと三角形の一辺をなくしたような空いた三角形Bを示します。
自然ではそう大きくは開きませんが、群生すれば(写1)のように開いて見えます。


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(写2)

ユズリハ

ユズリハはユズリハ科ユズリハ属に分類される木。
常緑の高木で枝はよく分岐するらしいです。福島県以西、四国、九州、沖縄に分布。

「さくらの来た道」で記したように、ユズリハもヒマラヤからミャンマーにかけて
近縁が生息していると記されています。(注1)

さくらと同じ頃に日本に渡来したのかもしれません。


(写2)でもわかるように上に新葉が出、下に旧葉がつき、約半年ほどして旧葉はおちます。

このような姿から「譲り葉」と称されているようです。


このユズリハも(写2)に白線を描くと、マツに似た開いたクロスの三角が描けます。



かえこ「おばさん、三角ばかりじゃないの」と。

「昔の三角縁の鏡にもノコギリ紋の三角がいっぱいあるじやないの」というと、

かえこが「関係があるの」と。

「額田王は鏡づくりの出と言われているの。関係しているかもしれないわ」


「鏡が古くなるとどうなると思う。かえちゃん」と少し難しい質問をすると、

かえこ「わかんない」と。

「緑錆がふき、三角形も緑になるでしょ。小さな苔むす世界かもしれないわ」

かえこ「コケをむして食べるの」と。

「昔は食べたり、薬にしたようよ」

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上記に記したように
ユズリハとマツに共通する三角形をイメージしましたが共通点をまとめると、

1.どちらも常緑の高木樹であること。

2.4月〜5月頃に花をさかせること。

3.葉が末広がりにつくこと。

4.新葉が出てから古い葉が落ちること。

5.正月の飾りに使われたこと。などたくさんあります。


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『額田王-線上のゲシュタルト』で「弓絃葉の御井」を
飛鳥にあった「出水の酒船石」の形が「弓絃」に似ることから重ねイメージしました。


どうしてもそのイメージが拭いきれず、
ユズリハとマツの共通点の多さからマツを調べていると、

よく似た形をみつけることができました。

tane0619.JPG
(図3)

(図2)左が出水の酒船石です。
湧き出る聖水の導水石として苑池で使われていたことが遺構調査で実証されました。

石は大正時代に発掘されており、現在は京都・碧雲荘庭園(野村別邸)に設置されています。


右がゴヨウマツの種鱗(しゅりん)の形状。中に二つの種子がついてます。

覗き込んでいたかえこが「種もよく似ているね」と。

「そうね。外の形(果鱗)だけでなく種の形も似ているね」と。

かえこニッコリ。私もニッコリ。


『飛鳥京跡 苑池遺構 調査概要』の「自然科学分析・環境分析」のなかに
苑池の周囲の植生として、ニ葉マツ類(アカマツかクロマツ)が多く植えられていたこと、
そしてゴヨウマツも生育していたことが記されています(注2)

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ユズリハとマツの共通点と飛鳥の形の一端をかさねてみましたが、
相反する一面もあります。


それは樹木の耐火力(防火性)です。
一般に耐火力の大きい木は常緑広葉樹で肉厚の葉のもので、
ユズリハは耐火力が優れたものとされています。

対してマツは針葉樹で幹、枝葉に油脂を含んでいてもっとも耐火力の低いものと
されています。(注3)


ユズリハは燃えにくく(熱くなりにくく)、マツは燃えやすい(熱くなりやすい)ということでしょうか。



「弓絃葉の御井」の解説は
吉野・六田の口承説や吉野宮内の井戸説が多記されています。
私は(図1)T線上にあったものとイメージしています。




さて、あとは「蘿(苔・コケ)生す」のコケだけ。


かえこ「しんどかったね」
「いったでしょ。とおーい、ふかーい世界だって」


「一服していてはダメ。さあ出発よ」

かえこ「わかった。わかった」




つづく

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(図1)『電子国土』に加筆

(写1)『日本の野生植物』木本1  平凡社 1991より加筆

(写2)『植物の世界』週刊 朝日百科「ユズリハ」茂木 透 写真 週刊朝日百科 朝日新聞社 1996より加筆 

(図2) (図3)『原色樹木大図鑑』北隆館 1987 
『あすかの石造物』図録第35冊 飛鳥資料館 2001より加筆

(注1)『植物の世界』週刊 朝日百科 朝日新聞社 1996

(注2)『飛鳥京跡 苑池遺構 調査概要』学生社 2002

(注3)『植物の世界』週刊 朝日百科「火災を防ぐ植物」福嶋 司 週刊朝日百科 朝日新聞社 1996








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