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Kのメモ NOV 15,2013 [店雑記・Kのメモ]


コラージュ-まるとしかく

高校生の頃からものをコラージュする技法をよく用いた。


今、こころの中にいるかえこも、
飛鳥に旅したアマガエル。

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ベッドサイドのワゴン上にブックケースを置いている。

読みたい本、見たい本を入れている。

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少し前に買った『週刊 新発見! 日本の歴史』の「飛鳥2」がある。

「なんて、劇画タッチ」と思うのは編集だけではない。
記された文章にも感じる。

新発見なんてないじゃない。

藤原京と富本銭のページから。

富本銭

1998年頃までは和同開珎(わどうかいちん)が日本で一番古い貨幣とされてきた。

1998年、飛鳥池遺跡(明日香村)から7世紀後半の多数の富本銭(図1)が発掘され、
和同開珎より古いものであることが解る。
しかし、まじない銭(厭勝銭 ようしょうせん)であったのでは、との推測もあり、
議論が分かれている。

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藤原京は
「日本初の計画都市、藤原京の全貌が見えた」というキャッチコピーで、
以前の狭域な範囲の推測から、
発掘により約5.3km四方の広域な京であった可能性が記されている。



コラージュすればおもしろいかも、と思い描きながら、

スーと眠りの世界に、、。

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富本銭の大きさは、
飛鳥遺跡から出土したもので平均24.4mm径(飛鳥遺跡平均)、重さ4.36g、内に孔郭がある。
唐の開元通宝の規格に合致し、輪、孔郭、幅も酷以し、模倣したデザインだと記されている。

kahei1115.jpg
(図1)

私は
参考にしたかもしれないけれど、決して模倣ではなく、
左右に記された七曜文は文字だけ記されたもの以上にデザイン化されており、
開元通宝より美しいと解しています。

かえこが「ユニバーサルデザインかも」と。

「そうね。目をつむって触ってもわかるしね」

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藤原京は

約5.3km四方の京域に縦横530mの方眼道路で区画され、
藤原宮は中心部に位置し大垣で囲まれていました。

大垣は東西927m、南北906.8mとほぼ正方形。

藤原京の特徴は大垣の外に広い空閑地(くうかんち)を設けていることらしい。

平城宮の5倍、幅は約57mもあったようです。

藤原京も
中国『周礼(しゅらい)』考工記(こうこうき)に記されている内容と共通性があり、
モデルとして参考にしたのでは、と言われていますが、

時期的には中国にも例はない、ことはオリジナルな京だったのです。

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藤原京の全体区画図に富本銭を拡大しコラージしてみる。

数字を追えば、
530000cm(京域の一辺)÷2.44cm(富本銭の平均径)≒217213倍


Mfujiwara21114.jpg
(図2)

中央の赤枠はおよそ空閑地を含んだ宮域です。

かえこが「おばさん、お金の穴の部分と宮域が重ならないね」と鋭い問いに、

「うるさいわね。きっとなにか隠されているのよ」

「デザインってそんなに単純じゃないの」と答えます。

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富本銭には輪の太いリブ、孔郭部にも細いリブが付けられています。

太いリブは京域の区画幅、細いリブは内側に返せば宮域に、ほぼ沿います。

「富本」の「本」の十字は道路のクロスを意味しているのかも、、


でも、難解なものがある。
藤原宮の大極殿南面回廊より地鎮具が発掘され、その容器の栓に富本銭(図3)が
使用されていましたが、飛鳥池遺跡でみつかった富本銭(図2)と種類が異なるのです。


Mfuhonsan1115.jpg
(図3)

腐食し解りづらいけれど、文字は「富」が「冨」に、七曜文も大きく。
孔郭のリブは太く、輪のリブはすこし細いかも、、

ただ、京域の割り線にけっこう沿ってデザインされているのが解ります。
..............

詳細な資料が手元になく、アバウトな考察しかできない。

でもなぜか、まるとしかくをコラージュしたかった。

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15年余の期間を経て、藤原京は消えていきました。冨本銭も。


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《参考文献》
『週刊 新発見! 日本の歴史』10 飛鳥2  朝日新聞出版  2013
『飛鳥池遺跡』図録36 飛鳥資料館 2000
『日本の美術』No.512 出土銭貨 松村恵司 至文堂 2009
『藤原京』木下正史 中央公論新社 2003
『奈良文化財研究所 紀要2008』奈良文化財研究所 2008

(図1)『日本の美術』No.512 出土銭貨 松村恵司 至文堂 2009より加筆
(図2)『週刊 新発見! 日本の歴史』10 飛鳥2  朝日新聞出版  2013より加筆
(図3)『奈良文化財研究所 紀要2008』奈良文化財研究所 2008より加筆




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