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Kのメモ DEC 17,2013 [店雑記・Kのメモ]


Light of December-飛鳥の光

土曜日、日曜日と実家には行かなかった。

Fさんは孫のもりに浪花へ。

私は部屋の片付けやポケッ。

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先日の朝日新聞デジタルの記事が
なんとなく頭に残っていて調べてみることに。

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記事は
阿武山古墳(あぶやまこふん)の被葬者と推定される藤原鎌足を補強するもので、

死去する前に天智天皇から贈られた大織冠(だいしょくかん)

副葬品として見つかった冠帽の可能性が更に強まったいうもの。


古墳の被葬者は
発見当初から藤原鎌足では、と推察されていたようですが、
出土須恵器の年代推定などから確定されず、

発見当時の複雑な経緯から古墳は埋め戻され、
詳細な考察が出来ないまま現在に至ってたようです。

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もう十二月、
明日香にある万葉文化館の喫茶室から見える冬の大原の地(鎌足の誕生地?)を
思い出しながら、地図上の阿武山古墳に印をつけます。

Mabuyamakofun1216.jpg

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藤原京という言葉はよく使われ、私も使っていましたが、
なぜ藤原というの、と疑問がありました。

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調べてみれば、
「藤原の宮地」や「藤原宮」という言葉が『紀』に記されるのは
持統朝になってから。

どうやら「藤原宮」という名称は藤原という元の地名から名付けたようです。

「京」を表現したものは「新益京(あらましのみやこ)」と記され、
「藤原京」という名称は『紀』には記されていません。


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同じ藤原でも鎌足と「藤原宮」との繋がりなどありはしないと
思いながらも地図上の京跡に印を記します。

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この二点を結び、さらに線を延長すると、なんと吉野宮に至るのです。

やっと「おもしろい」ところに。

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阿武山古墳の副葬品の一点に30cmほどの玉枕がありました。

被葬者の枕だったようで、

紺や青、緑のガラス玉で綴られていたようです。


Mtamamakura12172.jpg
(写-1)

復元された玉枕の青玉の数を数えていると、
三十個ほどを数え、

ふと、持統天皇の吉野宮行幸の回数が浮かんできました。

以前から『紀』に記された三十二回の行幸は何を意味するのか?と
疑問を抱いてたものです。

一般的に持統天皇の吉野宮行幸は
神仙界や天武天皇を憶う行幸か、と解されています。

もう一度『紀』に目をとおすと、
宮地に関する記事の合間を吉野宮行幸の記事で綴られていることに気付きます。

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宝亀二年の『歌経標式』という最古の歌論集に
鏡女王の歌一首があります。

和我夜那疑 美止利能伊尓 那留麻弖尓 美那具宇礼太美 伊気弖倶美陀利

我が柳 緑の糸に なるまでに 見なく慨(うれた)み 生きて組みたり(注-2)

この歌を玉枕にコラージュさせてみたのですが、、

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『興福寺縁起(注-1)』には鏡女王(鏡姫王)は鎌足の嫡妻(正室)とする記事があり、

『紀』天武天皇12年の条に天皇が鏡姫王の病気見舞いをしたことが記されています。

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当時の人物の関係図、つながりは
イメージを膨らませば幾用にも描くことができ、
多くの論考や小説などで記されていますが、

古文献には見えてこない天上の世界から覗くのも楽しいものです。


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(写-1)『ふたつの飛鳥の終末期古墳』近つ飛鳥博物館図録50  2010より加筆

(注-1) 『興福寺縁起』900年成立、藤原良世の著

(注-2)『額田王』直木孝次郎 著 吉川弘文館 2007より












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