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Kのメモ MAY 5,2014 [店雑記・Kのメモ]



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夏恵子の珍道中記

獅子と須弥山-15


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珍石が石のライオンとイメージしたことからはじまり
ペニスや石の表情をへて、場所と主を追い、須弥山の世界が描かれていたのでは、と想いを馳せた。
 
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そして、筆者の想い描いたイメージが飛鳥という地、
坂田尼寺跡の寺内においてつながるものがあるのだろうか、と調べた。
 
飛鳥初期は仏教の伝来、普及、そして国家の基が形成されていった時代であった。
その仏教、国家の形成において厩戸皇子の存在は欠かすことはできない。

厩戸皇子は三つの経典(勝鬘経・法華経・維摩経)の注釈書、三経義疏(さんぎょうぎしょ)で
『勝鬘経義疏しょうまんぎょうぎしょ』・『法華経義疏』・『維摩経義疏』
を記したとされる。
.........................................
怪しいものはあの世にもこの世にもいっぱいあるが三経義疏も、
『勝鬘経義疏』は輸入品、『法華経』は奈良時代の奉納品、
『維摩経』は658年を下る年代などの説から、そのひとつとされている。
................................
推古朝に厩戸皇子は高麗(こま)の慧慈法師(えじほうし)を師とし経を通じたことが
『上宮聖徳法王帝記』に記され、その中に『維摩経』があり、
厩戸皇子はこの経典に註釈して『維摩経義疏(ゆいまきょうぎしょ)』を著したとされている。

『維摩経』は、はじめに「仏国品(ぶっこくほん)」が記されており、
毘耶離城(びしゃりじょう)に
大比丘衆(だいびくしゅう)八千人、菩薩三万二千人、その他天や龍、夜叉など大勢いて、
そこに毘耶離城の長者の息子が七宝で飾られた五百本の傘を持ちあらわれ、
世尊に捧げると仏陀の威神力で一つになりすべての宇宙をこの傘のなかに表したと記され、
獅子はこの世尊の座として描かれている。

また、
須弥山の世界を描いた「不思議品(ふしぎほん)」のなかに須弥山界とともにあらゆるものに優れ、
あらゆる徳をそなえたとする獅子座が描かれている。

須弥山界と獅子はつながりのある世界だったのである。

とてつもなく大きい、
とてつもなく高い獅子座に神通力のない菩薩や弟子は最初は座ることができなかったとし、
維摩が須弥相国にいる仏(須弥灯王如来・しゅみとうおうにょらい)を拝礼すれば座れること教えると、
それに従った菩薩や弟子も座れたとある。

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鞍作鳥が建立したとする寺は金剛寺とも称された。
「仏国品」のなかに
「気高い須弥山を金剛に似て堅く、三宝(仏・法・僧)に対する不壊の信をいだき、、」と
記されており、須弥山が濃く潜んでいたことがイメージできる。
 
また「仏国品」に住む菩薩はありとあらゆる音を仏の音に変えることができることを説いたとされ、
『観音経』に通じた「音を観る世界」も記されていることが
『維摩経講話』に記している。

そのことは「カナート」の章にて坂田尼寺伽藍跡の遺品や遺構から
観音菩薩との関係をイメージしたことにもつながっていく。


最初に珍石を石のライオンとイメージしてから時が経ち、いま一度みつめなおすと
須弥山の姿が映り、そのイメージのコラージュから厩戸皇子に至った。

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(表-1)
坂田の地に上宮があり皇子が斑鳩宮に移られた後、金剛寺が建立され、
推古二十年(612年)に珍石は路子工がつくったと推理した。(上記表)
 
鞍作鳥がつくったとされる金剛寺は建立に十年以上は有したと推測するが、
その工程のなかで珍石もつくられた、
あるいは上宮の地から鳥宮を以て改めて坂田寺を造ったと記されていることから、
大規模な造成は必要とせず、
南庭もあり、短期の建立のなかに路子工が須弥山をつくったのかもしれない。

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伊藤氏は著書『ペルシア渡来考』のなかで
路子工(みちこのたくみ)の別名「芝耆摩呂(しきまろ)」はāškār「明るい」とāmār「計算」との合成詞として
「計算(測量の)・設計に明るい人」「技師」の謂(い)いと記している。

飛ぶ鳥の明日香がこのāškārにあったと解すると、官寺のラインともつながりが増す。

「確か狛犬に羽根が描かれているのがあった」


珍石は獅子座をベースとした須弥山石?



つづく

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(参考書)
『聖徳太子集』日本思想大系2 岩波書店 1975
『大乗仏典 7』中央公論社 1980
『維摩経講話』鎌田茂雄 講談社 1990
『ペルシア文化渡来考』伊藤義教 岩波書店 1980
(表-1)
『日本書紀 下』日本古典文学大系 岩波書店 1993
日本書紀 下』宇治谷 孟 訳 講談社 1988

(写真・図)
1.『大帝国ペルシア』NEWTONアーキオ ニュートンプレス 1999
2.『西蔵・聖地カイラス巡礼』 NHK取材班 日本放送出版協会 1985
3.『蓮』ものと人間の文化史21 坂本佑二 法政大学出版 1987
3.『古代の形』飛鳥資料館図録第27冊 1995
4.『飛鳥依遺珍』 飛鳥資料館図録55冊 2011
5.『お水取り』 奈良国立博物館  2001
5.『明日香村史』明日香村 1974
5.『ペルセポリスから飛鳥へ』 松本清張 日本放送出版協会 1979
6.『須弥山と極楽』 定方晟卯 講談社 2006
7.8.『西蔵・聖地カイラス巡礼』 NHK取材班 日本放送出版協会 1985
『ブッダ 大いなる旅路 1』「ストゥーパと仏舎利」杉本卓洲 NHK出版 1998
9.『飛鳥の寺と国分寺』坪井喜足 岩波書店 1985
10.『東大寺』奈良六大寺大観刊行会 岩波書店 1972 
11.12.『大帝国ペルシア』 ジム・ヒックス タイムライフ編集部後藤 建 訳タイムライフブックス 1980
12.『坂田寺跡伽藍復元図』 明日香村
13.『ペルセポリスから飛鳥へ』 松本清張 日本放送出版協会 1979
14.『飛鳥京跡苑池遺構』橿原考古学研究所 学生社 2002
より参考、加筆



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