Kのメモ MAR 20,2015 [店雑記・Kのメモ]
南都・線と三角形-3
飛鳥・坂田尼寺については、以前にも記しましたが、
発掘調査から遺物として小さな水晶のハート、
猿投窯(古代陶器)とみられる双耳瓶などが見つかっており、
また、閼伽棚跡らしいものも見つかっています。
尼信勝が東大寺の脇侍観世音菩薩像を献納していることと
繋げイメージすると、
どうしても水の女神「アナーヒター」に惹かれます。
((写-1)
小さな水晶のハートですが、エッジがとても美しく、
遠くから渡ってきたような透明感を感じます。
センターに1mmほどの孔があります。
「遠敷(おにふ)」の聖水の対称は二月堂の観音です。
観音像とアナーヒターの像を比較すると
いくつかの共通点があることに気付きます。
(図写-1)
腕輪をしていること、首飾りをつけていること、
衣裳が似ていること
両手にものを持っていること
素足であること、髪型が似ていること、などです。
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『ペルシア文化渡来考』に
観音には「光世音」という名号があるとし、
観音の梵語前肢avalokita-から、
Avarokita-svara(照る音声をもつもの)と解し、
savar-の派生形を求めると、
古代イラン語にhvar-(光・かがやき・光耀)があり、
axᵛarǝta-xᵛarǝnah-(光る光明をもつもの)に至ると解しています。
そしてこのようなイラン語形を梵語化したものが
avarokita-svara(照る光明をもつもの)ではないかと記しています。(参-1)
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光明から藤原不比等の娘、安宿媛(光明皇后)をイメージします。
(写-2)
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(写-1)大きさ-長さ13mm・厚さ6mm
『飛鳥 遺珍』飛鳥資料館図録第55冊 2011より加筆
(図写-1)十一面観音図『お水取り』奈良国立博物館 2001より加筆
アナーヒター『ペルセポリスから飛鳥へ』松本清張 日本放送出版協会
1979より加筆
(参-1)『ペルシア文化渡来考』p154〜P155 伊藤義教 岩波書店 1980
(写-2)「光明皇后の筆蹟(楽毅論)」『藤原仲麻呂』P49 岸 俊男 吉川弘文館
1982より加筆
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