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Kのメモ AUG 26,2015 [店雑記・Kのメモ]



K0822-0.jpg
文字の骨組み

私の好きな英字体はヘルベチカ ボールド(HELEVETICA BOLD)。
以前の会社のロゴもスカルのお店のロゴもこの字体を使っています。
仕事や作品でもよく使います。

helvetica0822-4.jpg
(参-1)

この字体は第二次大戦後、ドイツでデザインされたようですが、
なにかドイツ的なイメージを漂わすものがあります。
40年近くも愛着をもって使っていると、
Fさんに「またヘルベチカね。性格があってるのかも」と、よく言われます。
私のデザインや造形は、イメージ的に硬いものが多いことから、
自然と、この文字になるのかもしれません。

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Mdesign0821-2.jpg
(参-2)

『英字デザイン(参-1)』という40年前の本があります。
英文字の歴史や字体の構造を簡素に記された英字のデザインテキストです。
私の好きなヘルベチカの字体の構造も記されており、
書架に記念として残しています。

人体にも骨組みがあるように、英文字にも骨組みがあります。
本では線式図として一定の図式にあてはめることができることが記されており、
線と◯・△・⃤が文字の大きな要素であることが記されています。
design0821-1.jpg
(参-3)

英字をつかったマークをデザインする場合、
この基本形態を象徴しデザインすると、
どうしても同じ要素を用いたマークと類似しやすくなり、
オリジナリティーを失う恐れがあります。
よって、デザインする場合、崩すか、越えるか、ということに直面しますが、
多くの文字マークは崩して、イメージを生み出す方法で対処し、
オリジナルな形をつくっています。

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話題になっている2020年東京オリンピック エンブレムも英文字を使ったマークです。

どちらかというと、崩さずに、構成だけでイメージを生み出そうとしたマークですが、
類似したものがあり、オリジナリティーを損ねました。

マークの選出理由は、
構成されたイメージが優れているとしていますが、
形として独自性に欠けていることがわかると、イメージを膨らますことが難しくなります。

ステムという脊柱的なものと、ブラケットという枝骨的な構成に
やはり無理があったのでは、と思えてきます。

mark0825-1.jpg
(図-1)


構成だけで新しいイメージを生み出す、作り出すことの難しさを痛感させられ、
越えたつもりが、越えれなかったhigh jump(走り高跳び)をイメージします。


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(参-1)『モンセン・スタンダード欧文書体清刷集』嶋田出版 1979より加筆
(参-2・3)『改訂 英字デザイン』文字のデザインテキスト3  丸善 1976より加筆 
(図-1)2020東京オリンピックエンブレムより加筆



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