Kのメモ May 24,2011 [店雑記・Kのメモ]
額田王-線上のゲシュタルト17
酒船石遺跡-1
どうして酒船石遺跡が額田王と関係があるの?と思われるかもしれません。
線上の歌、線上のゲシュタルトで三本の線、補線を描き、その線上に
額田王の歌12首が見えてくることを記しました。
(図1)
この三本の線の中点、基点となるところが
O点の酒船石、湧水施設のある酒船石遺跡なのです。
このO点をなくして三本(N・K・T)の線は描けませんでした。
これほど大事な重要なところ、クロスポイントなのです
。
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酒船石遺跡のこと、酒船石のことは今まで多くの論考がなされてきました。
また、松本清張さんの小説『火の路』で「岡の酒船石」として有名になったところでもあり、
明日香を訪れると必ずといってよいほどこの地に寄られるところでもあります。
この地は人工的に造成、造営されたところです。
以前は「岡の酒船石」のあるところ一箇所でしたが、
麓の亀形石槽などがある湧水施設(1)の空間、
そしてその下手にある祭祀具の作り場、
飛鳥池遺跡(2)などは近年に発掘され、
今も湧水施設と酒船石は見ることができます。
特に東の山とされる酒船石のある丘は
とても造成された丘であったとは感じられず、
当初、丘の法面は石積みで被われ、異様な景観を現していたことを知る由もありません。
狂心(たわぶれごころ)の渠をほって運河とし遠くから飛鳥に石を運び、
丘を造成したことは未知なる(道成)
試みでもあったのではないでしょうか。
現在も麓の湧水施設と合わせ祭祀の場所であっただろう、と推測されています。
額田王は皇極天皇(後、斉明天皇)時より宮、天皇のそばに仕えていたと想定され
飛鳥の宮、地域については熟知、認識していたと考えられます。
額田王は
その宮域の中の重要な施設、これらの景観、状態も当初より知り得ていたと推測され、
作歌がこのO点、道成る点を原点とすることは、
飛鳥朝の本質的なものがこの点上にあり、
関係していたと
イメージします。
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酒船石遺跡
の大きな特徴は
水と石といっても過言ではありません。
湧水施設の井戸から湧き出る清水は今も絶えず、
丘上の酒船石の上面には溝と皿形の抽象形状が描き刻まれ
(図3)
、
液体を溜めた、流したことが推測できます。
また、飛鳥は湿地であったことからも、多くの遺跡で石敷き、石溝が見られますが、
地理的条件だけでなく、神聖な場所としても使われたようで、
先に記した湧水施設、丘、
酒船石
などからも知ることができ、
天・地・人の道成りの基点をイメージするのです。
これらをコラージュしながら天上からこの地を覗いてみると、
(図2)
O点(酒船石)の造成された石積みの丘が突き出ていることがわかります。
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近江「綣村」を含む街道の三角形は
酒船石の溝を結んだ三角形と相似し、
(図3)
丘の頂上の等高線状にもその三角形の相似形を見ることができます。
(図4)
「ヘ・瓶」の神聖な酒など盛る「土器」から「ソ・其」が付、
「ヘソ」の祭祀の場所、交通の要所
(注1)
が
天上から見える三本の線の交点、場所とかさなること、
「サ・砂・磯」と「イシ・石・磯」の語源共通「狭野」の解釈(注1)から
丘に積まれた石が砂岩であり、この地以外に使用が少ないこと、
(写1)
砂岩が
黄褐色(乾燥すると白色を呈する)を基調としており
、
榛の実からの染色にかさなること、
(画1)
進発前の作歌で、宮地より東を眺めた場所に位置すること、
これらのことを考え
合わせ
ると「
綣麻形(ヘソガタ)」は三輪山でなく、
O点の酒船石の丘と推測します。
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へそがたの林のさきの狭野榛の衣に着くなす目につくわが背(1-19)
(大意)
ヘソガタの林のとりつきに立つ野榛の色が、鮮やかに衣に着くように、
自分の目にくっきりとうつるわが背よ。
「ヘソガタ・綜麻形」の林の突端に立つ狭野榛の色とは、
酒船石の丘に
石積みされた
砂岩の色ではないでしょうか。
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(図1)『酒船石遺跡発掘調査報告書』明日香村 2006より加筆
(図2)
(図3)
(図4)
(写1)『斉明紀』 図録第29冊 飛鳥資料館 2003より
(注1)『沼の司祭者 額田王』 吉田金彦 毎日新聞社 1993 より
(1-19)(大意)『万葉集』 日本古典文学体系 岩波書店 1957
2011-05-24 04:10
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