Kのメモ Jun 25,2011 [店雑記・Kのメモ]
(写1)
旅立った人
父が旅立ってから、半年がすぎました。
足を骨折し入院していた古墳のある病院は
以前、父も重い病気で入院していたこともあり、
病院では毎日、父と話をしていました。
実家のある大和五條に早く、帰してやりたい思いが
たえず込み上げてくるのですが、
「ごめん、何もできない」というジレンマのなかで過ごしていました。
やっと、足も思うように動くようになってきましたが、
またひとり、八歳の少女の旅立をしらされます。
暑い真夏のさなか、明日香の湧水施設の清水を口にし、
「おいしい?」と問うと、「うん」と微笑んだ笑顔が蘇ります。
「ごめんなさい、何もできないで」という言葉をまたしても言ってしまった自分に
「なにができるのだろう」と問いかけるのです。
旅立ったひとの思い出はその人と接した時間や行動の中に
記録としてしまわれています。
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歴史や伝説で学んだ旅立った人の話は
その人と接したこともなく、記憶としてしまわれています。
でもこれほどあいまいな記憶はないのかもしれません。
その人に興味をいだけば、素晴らしく思え、
興味をいだかなければ記憶さえ残りません。
接したことのない旅立った人の思いは
人それぞれが描くイメージにすぎないのかもしれません。
梅雨間の晴日、車で40分ぶらっと、忍坂の里に向かいます。
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(写1)鏡姫王忍坂墓
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