SSブログ

Kのメモ SEP 1,2011 [店雑記・Kのメモ]


phot00201106 431.jpg
(注1)

golden stamp-4

はじめてものを見た時、ひとは直感的なイメージが
脳裏に生まれます。

その人の過去に蓄積された多くの情報が呼びおこされ
そのものと結びつこうとします。

私は最初の結びつきを「イメージのつながり」として大事にしています。

................................................................

この金印が本物か偽物か?という論議があります。

私は本物でも偽物でも、どっちでもかまわなく
そのものの持つ形やイメージが
私とどのようにつながりをもつのか?が楽しく調べています。

黄金比の形もそのような直感的なイメージから興味をいだき
前記したような「志賀島」の島の形に至りました。

では金印にそのような黄金比のイメージが隠れているのか?知りたくなり
文献資料や博物館への問合せ、などから
やっと金印の形と寸法の関係を描くことができました。

寸法は岡崎 敬さんの1968年に発表された測定結果より、
図は大塚紀宣さんが2009年に発表されたマイクロスコープでの観察結果より
拝借しました。
......................................................................

phot00201106 430.jpg
(写1)


phot00201106 396.jpg
(図A)


phot00201106 395.jpg
(図B)


phot00201106 397.jpg
(図C)


(図A)(図B)(図C)は(写1)の→の方向から見た図です。
寸法はmm単位、小数点二位を四捨五入しています(参1)。

印台の各辺の寸法は23.45, 23.54, 23.49, 23.41,23.47と微妙に異なり
カッコ寸法は平均値です。

印台の高さも辺部で8.74, 8.89, 9.06, 8.80, 8.87と異なり、
カッコ寸法は平均値です。

印台の高さと蛇鈕の高さの和が総高の寸法と違いますが
おそらく、総高の寸法は定盤での計測と推察します。

.................................................

(図A)より蛇鈕の形がほぼ黄金矩形におさまることがわかります。
また、(図C)より平面の形もほぼ黄金矩形におさまることがわかります。
そして、(図B)より蛇鈕の短辺の形がほぼ正方形であることもわかります。

これらの誤差は0.5mm内であり、
方形の印台の各辺の最大誤差0.13からも許容内では?とイメージします。

蛇鈕の形が黄金矩形におさまるとすれば、
そこに見えてくるのは黄金矩形のなかに生まれるΦ(ファイ)螺線の渦巻く世界です。

蛇がとぐろを巻くイメージへと膨らみます。


phot00201106 394.jpg



...........................................................

(参1) 『金印研究論文集成』大谷光男(編者) 新人物往来社 1994
『「漢委奴国王」金印の測定』岡崎 敬 より抜粋

(図A,B,C) 『研究紀要』 福岡市博物館 第19号 2009
『マイクロスコープによる金印の表面観察とその検討』 大塚紀宣より加筆

大塚紀宣さんの研究はとても面白く、
発見から230年になり「やっと形にメスがはいっていく」と感激しました。

発掘された多くの遺物、出土品が古文献だけに頼らない視線に
少しだけ考古学、歴史学の垣根からの光を感じました。





タグ:golden stamp
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

Kのメモ AUG 31,2011Kのメモ SEP 2,2011 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。