Kのメモ JAN 15,2014 [店雑記・Kのメモ]
クスノキ
一週間ほど実家の片付けの予定で朝から出かけます。
年末に庭の剪定を終えましたが、まだまだ。
裏庭のクスノキの根がはびこり、コンクリート面を持ち上げています。
本当はスクスク育てたかったけれど、、
その根切りをするため、鑿(のみ)を持って行きます。
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どうしてこんなに張るのよ、といいながら、
鑿で根切りをします。
久しぶりの鑿から伝わる感覚と同時に
お腹がつかえて苦しい感覚に「あー」とため息がでます。
古代の仏像の材料に楠が多く使われています。
鑿をいれるたびプーンと漂う香りは特別。
身もこころもあらう香りかもしれません。
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法隆寺に「沈水香(じんすいこう)」という香木があったようです。
大和名所図会に、
図会では夢殿の観世音を彫ったあと、残りの材を法隆寺に献納し、
名も法隆寺となった。と記されているとか。(注-1)
夢殿の観世音菩薩はクスノキで彫られています。
像の側面を見ていると、しぼりきってる、と思えてきます。
(写-1)
江戸時代白いベール(白布)に包まれ見ることができなかった仏に伝わった
話かもしれませんが、香り漂うものが
伝承されていたことは間違いないようです。
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クスノキの成長の早いことは前栽にあったクロマツと比べても
倍以上ではないかと思うほど。
樹高は30m、幹の径2mの大木もあるという。
思えば小学校の校庭にも大きなクスノキがあった。
やはり「奇木」であるのはまちがいない。
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クスノキの語源について、
「楠」は南方産の木、「樟」は高くのびる木、の意を含み、
香気がある木を表している。(1)
クスノキから樟脳をとって防虫剤や香料にすることからわかるように、
クス(樟)はクスリ(薬)の約形。(2)
霊妙なことを形容詞でクシ(奇)といい、その派生形に
クスシ(薬)がある。(3)
霊妙な薬効があるものがクスリで、クスリノキといっても
クスノキといっても同じ。(4)
クスノキ(樟)はクス(リ)ノキ(薬木)ということで、
奇(くす)しき木。(5)
と記されていました。
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(注-1)『奈良名所むかし案内』「香木の名は法隆寺」本渡 章 著 創元社 2007より
(写-1)『法隆寺』村田治朗 上野照夫 著 佐藤辰三 撮影 毎日新聞社 1960より 写真に 加筆
(1.2.3.4.5)『語源辞典 植物編』吉田金彦 編 東京堂出版 2001より
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