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Kのメモ APR 14,2014 [店雑記・Kのメモ]



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夏恵子の珍道中記

休息
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 夏恵子は自宅から大学に通っている。
バスで駅に出て、そこから乗継ぎ々で奈良に向かう。
電車に乗っている時間は1時間ちょっと。
カバンにはいつも電車内で読む本一冊とペットボトル。
 
聖徳太子虚構論が蔓延し、
『紀』が
藤原不比等の捏造により編纂された説が渦を巻いている。
 
夏恵子は「そんなことどうでもいいじゃない」
「歴史なんてノンフィクションであれフィクションであれ描かれた世界」と
思っている。

でも、
仲間の会話に入るのには知っておかねばと
『天孫降臨の夢』を中古本で購入し電車で読んでいた。

 過去のものはすべて影の像。

そのような思いが込み上げてくると、
「あーあ」とため息がでそうで、本をカバンになおし「つまらない」と目をつむる。

巻末「藤原ダイナスティの完成」の中で
藤原仲麻呂の記述がある。
明日香の「亀石」が向く方向に藤原武智麻呂が開いた藤原南家の栄山寺があり、
境内に藤原仲麻呂が建立したとされる円堂(八角堂)がある。
このことをゼミの教授に話したことがあったけれど、
教授は「フウーン」のひとことだった。

「Oさんも影の実証論に欠けている」と思った。
「影だから実証はむつかしいけれど」
 
「夏恵子も聖徳太子なんか信じないでしょ」と、大学仲間の声が聞こえて来そうで嫌だった。
 
「何か信じるものがあればいいじゃない。仏の悟りを聖徳太子をとおして学べばいいじゃない?」「べ」
「別に道教みたいに変な宗教でもあるまいし」
「信じることが、信じ合えることにつながるんじゃないの」、、と、
いきものがかりを聴きながら、ひとりでしり取りしていると、奈良に着く。

ゼミの合間にたべる好きなバターロールパンを買いカバンにほりこむ。

..............................................

天孫降臨の夢
』大山誠一 NHK出版 2009
『〈聖徳太子〉の誕生』 大山誠一 吉川弘文館 2008




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