Kのメモ MAY 28,2014 [店雑記・Kのメモ]
飛鳥のハート-はじめに
坂田尼寺(推定)遺構の地鎮具に含まれていた「水晶のハート」に惹かれて
飛鳥のハート探しをしてみようと思った。
(写-1)
(写-2)
水晶の大きさは16㎜、厚さは6㎜、1㎜ほどの孔があいており、
小さいけれど、とても美しく加工、研磨されている。
古代においてハートの形をどのように呼んでいたかは全く不明。
考古学において形を表す名称は考察の中での仮称であり、それが定着して一般表記されていることが多い。
瓦の形の名称などが例である。
ハートの由来を調べるが、
花弁の形、葉の形、心臓の形、お尻の形、女性器の形、など多くの説があり定かでなく、
現在のハートの形の多くは心臓やこころの形、そしてトランプの形として定着し表現されている。
私はハートの形は渡来してきた形のひとつでは、とイメージしており、
隣国の中国や朝鮮の文化のイメージからは浮かばなく、
もっと遠い地から伝来したのでは、と思っている。
古代日本には多くの渡来人が居住していたことは疑う余地はなく、
飛鳥にもペルシア系の渡来人もいたことは『夏恵子の珍道中記』でも記した。
『ペルセポリスから飛鳥へ』「考察の章」に
5世紀代から6世紀前半の新沢千塚126号墳から出土した「紺色の皿」について著者の松本清張氏は
「奈良県橿原市にある新沢千塚(群集墳)の126号墳から
出土した
ローマン・グラスの白いガラス碗には切子装飾があり、
いっしょ
に出た紺色のガラス皿(白のガラス碗をコーヒー茶碗にみたてると、
紺色ガラスはその受け皿のようなもの)の裏には、
中央部には鳥を、まわりにはハート形を散らしている。
鳥の頸にはリボンが結びつけてある。
画はひどく稚拙だが、この図柄はササン朝ペルシアである」と記され、
新沢千塚出土の紺色の皿に描かれていた絵柄(A)のスケッチと
ペルシアササン朝の銀杯の絵柄(B)を
コラージュし掲載されていた。(図-1)
(図-1)
この絵柄についての考察は
『新沢千塚一二六号墳』の調査報告書で森浩一氏が担当し、
ハート形を「花弁」と称して
記している。
「ここから、水晶のハートに結びつくものがあるのだろうか」と
今まで見てきた飛鳥のハートの形を思い浮かべながら整理し追ってみることにした。
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(写-1)『飛鳥遺珍』飛鳥資料館図録55冊 2011より加筆
(図-1)『ペルセポリスから飛鳥へ』松本清張 日本放送出版協会 1979より加筆
(参考)
『新沢千塚 126号墳』橿原考古学研究所 1977
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