Kのメモ JUL 10,2015 [店雑記・Kのメモ]
2015夏のひかり-15
霧雨のなか、キリギスが鳴いています。
雨が降るのに、と思いながら、再び鳴声に誘われ近づきます。
近づくと三カ所から聞こえてきます。
彼のいた場所は確かこの辺りと、ひとつの鳴声の方を覗き込みます。
いたいた。
「おはよう」といってカメラを近づけると、
ピョーンと草間に逃げ、こちらを見ています。
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きっとこの辺りが彼の住処かも、と。
彼女を得るためには、
まわりの二匹より強くならなくてはいけないのかもしれません。
エネルギーを使って、より高らかに発音しなくては、、
「頑張ってね」とエールをおくります。
明るさが増すと、彼らの鳴声は車の騒音で掻き消されていきました。
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キリギリス(蟋蟀)は鳴く虫の総称とされていたとか、
分析が進み、ニシキリギリス・ヒガシキリギリスなどと別れるとも。
風化した殻をみつけた時、
彼らの思い出の夏だけが過ります。
ギィース、チョン。
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私を誘う鳴声はどうして発生してるのかしら?と調べます。
前翅の上翅にやすり器があり、下翅に摩擦器があってこすり合ってるよう。
そして、発音鏡という増幅器のようなところを経て聞こえてくるようです。
音をだす直翅(ちょくし)類のなかでも、
一番進化した発音手段だと記されています。
かえこが「耳はどこにあるの?」と。
「耳は前足の二番目(脛節)の上のほうと胸の側面にもあるみい」
「足に耳があるの、変わってるね」と。
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『原色日本昆虫図鑑 下』保育社 1977 参考
『日本動物大百科』昆虫8「直翅類の発音」加納康嗣 平凡社 1996 参考
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