Kのメモ APR 7,2015 [店雑記・Kのメモ]
南都・線と三角形-9
深層を追っているとつい距離感を見失うことがあります。
今まで辿って来たⓈラインを、もう一度広角的に見ることにします。
二月堂を経たⓈラインは山背道、山辺の道に沿って南下することがわかります。
(図-1)
そして、多武峯道、吉野道を経て、吉野の出入口に至ります。
さらに、紀伊半島全域に拡げて見ると、
(図-2)
当初に描いたⓈラインを見ることが出来ますが、
よく見るとほぼ南北にⓈラインが紀伊半島を二分していることがわかります。
当初は半島を二分しているというイメージが湧いてきませんでしたが、
これほどきれいに二分するようなラインはないと言えるかもかしません。
二等分線は半島の中央を潜っているのです。
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『ペルシア文化渡来考』「ホロスコープ」の結びで著者は実忠について、
二月堂の修二会を、
イラン系異邦人実忠そのひとの独自の創始と考えざるをえなくった。と、
考察の結論を記しています。
やはり、上の図からも、
記された世界が潜んでいるように思えてきます。
Ⓢラインは、
州(畿外-東海・東山・北陸・山陽・南海・西海))を取囲む山の北方の源泉から
二河を東西に流出させた水源のラインと見てとれ、
大地のなかを下り中央州(畿内)に出ます。
閼加井屋の香水は水源ラインから湧き出たひとつかもしれません。
中央州に出た河川からは他の諸川が出、東西に流出した河は
中央州に出た河川諸川の水を合わせて地の果てで旋回し、
諸湖海を過って州に飲食を供給し、海に合流し、元の源水に
戻ると記されています。
また、
中央州は六州を合わせた広さと同じとすることから、
中央州を大倭に重ね、州を畿内と
推測することも可能です。
覗きこめば飛鳥源流の世界、離れて見れば畿内、畿外の世界へと拡がる世界は
須弥山界のようでもあります。
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何よりもこのようなラインを描けるのは
異なった文化を得た人物のように思え、
やはり異邦人が描いたラインの可能性が増します。
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『ペルシア文化渡来考』の末章に「ホロスコープ」と題し、
イランのホロスコープを『ブンダヒシュン』から
解析をされ記されています。
(図-3)
そして、
水の神アナーヒターは金星としてホロスコープには
必ず登場すると記されていますが、
その金星の位置にいる魚座を追って吉野を辿ります。
《つづく》
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(図-1)『都城の生態』「都城が展開した道」岸俊男 中央公論社 1987より加筆
(図-2)地理院 GSI Mapsより加筆
(図-3)『ペルシア文化渡来考』「ホロスコープ」
アフレマン侵入時のホロスコープ補訂図より加筆
(参-1)『ペルシア文化渡来考』伊藤義教 筑摩書房 2001
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